<夏の甲子園>関東一、堅守と継投結実 決勝はあす10時から

2024-08-22 HaiPress

神村学園に勝利し、アルプス席にあいさつに向かう関東第一ナイン=いずれも甲子園球場で

甲子園球場(兵庫県西宮市)で開かれている全国高校野球選手権大会は21日、準決勝の2試合があり、関東第一(東東京)は神村学園(鹿児島)に2-1で競り勝って初の決勝進出を決めた。悪天候などによる順延がなければ、23日午前10時から、同じく決勝に初めて臨む京都国際(京都)と対戦する。(佐藤航)

堅守と投手陣の継投で、9年ぶりの準決勝に臨んだ関東第一。この日も三回に一塁手の越後駿祐選手(2年)が痛烈なライナーをジャンピングキャッチするなど、堅い守りで接戦に持ち込んだ。三塁側アルプス席で見守った越後選手の父、昌広さん(51)は「練習の成果が出ている」と笑顔を見せた。

先発の大後武尊投手(3年)は四回に先制を許すも、5回を最少失点に抑える好投。父の雅広さん(48)は「小さいころから憧れていた甲子園で良い投球をしてくれた」とたたえ、「ここから逆転してくれると思う」と力を込めた。

その期待通り、それまで無安打に抑えられていた打線が七回に奮起する。1死二塁から熊谷俊乃介捕手(同)が一塁線に適時二塁打を放ち、敵失もあって逆転に成功。九回には2番手の坂井遼投手(同)が2死一、二塁のピンチで中前打を許したが、中堅の飛田優悟選手(同)が生還を狙った二塁走者を刺し、大接戦に終止符を打った。

◆「攻めの守り」成長の好返球飛田優悟選手(3年)

神村学園に勝利し笑顔を見せる飛田選手

二遊間を抜けたゴロの打球に対し、浅く守っていた中堅の飛田選手が猛然と前に出た。スムーズにさばき、勢いそのままに右腕を振る。ミットに吸い込まれるようなノーバウンドの送球。熊谷捕手が体を反転させ、本塁突入を狙った走者にミットを伸ばす。タッチアウト。大接戦にふさわしい劇的な幕切れだった。

わずか1点のリードで迎えた九回2死一、二塁のピンチ。送球がそれれば追い付かれるだけでなく、勝ち越し点につながる恐れもあった。それでもためらいはなかったという。「相手投手が良いだけに、追いつかれたら難しくなる。刺してやろうと思った」

中継でも正確につなげば刺せたかもしれない。だが、米沢貴光監督は「あの場面ではあれで良かった」と振り返った。グラウンド状態の良い甲子園では、打球がイレギュラーする恐れは少なく、迷わず前に出られる。つなげばミスをする機会も増える。一瞬で導き出した最善の手がダイレクト送球だった。

内野の堅守が光る今大会だが、この日の主役は外野陣だった。七回には浅い左飛を坂本慎太郎選手(2年)がダイビングキャッチ。飛田選手は「内野ほど守備力はなくても、やるべきことをやれば良いプレーが出る」と胸を張った。

堅い守りは試合中にも成長している。先制を許した四回は、中前適時打に対して飛田選手の動きが鈍く、米沢監督から「チャージが甘い」と指摘された。反省を生かしたビッグプレーで弾みをつけ、関東第一は初の決勝に挑む。(佐藤航)


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